SHRDLU(シュルドルー)は、1970年にMIT(マサチューセッツ工科大学)のテリー・ウィノグラード(Terry Winograd)**によって開発された、世界初期の自然言語理解AIの一つです。
当時のAI技術は非常に限定的で、複雑な言語や推論を理解できるシステムはまだ存在していませんでした。そんな中、SHRDLUは**ブロックの世界(blocks world)**という仮想空間を舞台に、自然言語での指示を受け取り、仮想のブロックを動かすことができる画期的なプログラムとして登場しました。
🔍 どんなことができたのか?
たとえば、SHRDLUにこんなことを話しかけると…
User: Pick up the red block.
SHRDLU: OK.
User: Put it on the green cube.
SHRDLU: OK.
User: What is the green cube?
SHRDLU: The green cube is a large green cube.
ブロックの操作だけでなく、物体の記憶、関係性の理解、そして簡単な会話までこなしていたのです。
🖥️ SHRDLUのすごさ
- 🎯 限定世界の設計:理解できる語彙や文法、状況を制限することで「賢い」ように見せる設計。
- 🧱 知識ベースの初期実装:シンボル処理や推論の原型。
- 💬 対話履歴の活用:ユーザーの発言を文脈として記憶・反応。
🔁 JavaScriptで遊べる「SHRDLU風チャット」
現在では、SHRDLUのエッセンスを再現したJavaScript版が登場しています。完全な理解AIではありませんが、以下のような要素を模倣しています:
🔧 実装特徴(JSテンプレ版)
- シンプルなブロックワールドUI(仮想)、もしくはテキストのみ
- コマンド対応型:”move the blue block”などに反応
- 状態記憶:「青いブロックはどこ?」などに応答
- GUIと連動してブロック表示する簡易エンジンも可能
🎮 遊び方(Webページに組み込む例)
- 入力欄に英語で指示を出します(例:“pick up the red block”)。
- SHRDLU風AIが応答し、仮想世界での状態を更新します。
- 状況確認もOK(例:“where is the red block?”)
📝 まとめ:AI遊園地で体験するレトロAI
SHRDLUで遊ぶ
SHRDLUは、今のAI技術の出発点の一つとして、非常に大切な歴史的モデルです。
遊園地的にこの世界を楽しむには、制限された中での知性の再現という点を意識して触れてみるのがポイントです。
🚀 さらに深掘りしたい人へ
- テリー・ウィノグラード著『Understanding Natural Language』
- 「GOFAI(古典的AI)」と「ニューラルネット」の違い
- SHRDLUの現代的リメイクプロジェクトたち(Python/JS)

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